ITインフラエンジニアの業務内容(保守)
DXやIoTなどのデジタル化が進む一方で、サーバーやネットワーク、セキュリティなどのITインフラの整備も求められています。
ITインフラを提供するITインフラエンジニアはどのような業務を行っているのでしょうか。
本コラムでは、ITインフラエンジニアの業務内容(保守)を紹介していきます。
ITインフラエンジニアの業務内容
ITインフラエンジニアの主な業務内容は、
1. 提案
2. 設計(基本/詳細)
3. 構築
4. 検証
5. 導入
6. 保守
の6つに分けられます。
本記事では
6. 保守
の紹介をしていきます。
保守
導入が正常に完了したら、導入した機器やシステムは本番環境で稼働することとなります。
この本番環境で発生したトラブルにすばやく対応するため、保守を行います。なお、弊社ではシステム構築後の保守は必須ではなくオプションサービスとしているため、お客様のご希望に応じて提供する業務となります。
主な保守内容
- システム不具合発生時の対応と復旧
- 運用で発生した質問対応など
- 構成管理
お客様環境や要望によって保守内容は異なります。
ここからは、記載した主な保守内容について紹介していきます。
システム不具合発生時の対応と復旧
導入した機器やシステムに不具合が発生した場合、お客様の業務に影響を与えてしまう可能性が高いでしょう。
お客様の業務影響を最小限に抑えるために、すばやく復旧させる必要があります。
そのために、お客様の運用担当者と密に連絡し影響範囲の把握や原因の切り分け・特定などの対応を行います。
主な対応内容
- 事象についての情報収集(発生日時、影響範囲、問題の内容など)
- 事前の設定変更の有無
- 関連システムの調査(ログなど)
- 類似障害の確認
- ソフトウェア不具合の有無など
以下、原因が特定できた場合の対応
- 原因を解決するための処置
- 機器やサービスの再起動
- 機器の交換対応
- サービスのアップデートなど
システム機器のハードウェア故障やシステムの設定やソフトウェアなどさまざまな原因が考えられます。
また、不具合の原因がすぐに特定できずお客様の業務に影響が出ている場合は、暫定的でも復旧させる必要があります。
そのため、保守担当者はお客様からの情報を整理して、対応方法を判断する必要があります。
システム機器の交換
不具合の原因としてシステム機器の動作が正常でないと判断された場合、交換対応をします。
主な交換が必要なケース
- 接続ポートが故障
- 再起動を繰り返す
- 異音がする
- LEDランプが異常を示す
- エラーログが継続して出力されている など
このようなケースが発生すると、システム機器を交換します。
予備機があれば予備機と交換しますが、保守契約を結んでいれば保守契約先から交換機器を手配し利用します。交換に必要な手続きはメーカー・保守契約毎に異なるため、タイムリーな交換対応を行うためには予め保守契約の内容・手順について把握しておくことが必要です。
保守契約について予め把握しておきたいポイント
- 問い合わせ窓口(電話・メール・サポートサイトなど)
- 受付時間帯
- 契約期間
- 問い合わせ時に収集・申請必要な情報
- 保守契約番号・ライセンスキーなど契約を特定する情報
- シリアル番号・サービスタグなど製品個体を特定する情報
運用で発生した質問対応
ネットワーク機器やサーバーの導入が完了したら、お客様で運用を行います。
あらかじめ運用中に発生しうる課題の対応方法はお客様へ伝えますが、新たに発生する課題もあります。
新たに発生した課題に対して、適切な対応方法を伝える必要があります。
構成管理
運用の過程で発生した構成の変更を作成した設計資料(主にパラメータシート)に反映します。
システム納品後の運用主体はお客様となるため、保守業者が知らない間にお客様にて設定変更などがされることがあります。トラブルが発生した場合、問い合わせを受けた保守担当者は設計資料を参照してお客様のシステムの構成・状態を確認しますが、例えばOSのバージョンや主要なパラメータについて設計資料とシステムの実際の状態で異なっていると、トラブルの事象・原因について誤った仮説を立ててしまったり、調査の方向性を誤ってしまうことも起こりえます。
これを防ぐために弊社ではお客様に設定などの構成変更を行った場合は弊社と共有いただけるようお願いしています。また、お客様自身で保守をされる場合にも、システム構成の変更は設計資料に反映することをお勧めしています。
運用支援
弊社では「保守」とは、システム導入時の仕様で安定して運用を継続するために必要となる支援業務と定義しています。従って、設計・設定の変更など仕様を変更するような内容は保守サービスではなくスポットの運用支援サービスとして対応しています。
インフラの運用でよく必要とされる業務にはネットワーク機器のファームウェア更新やサーバーソフトウェアへのパッチ適用などがあります。
ネットワーク機器のファームウェア更新
ルータやスイッチなどのネットワーク機器もパソコンやサーバー同様にファームウェアが利用されています。
ファームウェアは定期的に新しいバージョンが提供され、以下の理由により最新のものに更新した方がよいでしょう。
ファームウェアを更新する主な理由
- 脆弱性を狙った攻撃に対応するため
- バグ修正により安定した利用を行うため
- メーカーサポートを継続して受けるため(EoS = End of Support 対応)
ファームウェア更新は機器の再起動が発生する場合が多いため、実施タイミングを検討する必要があります。また、セキュリティ製品やロードバランサーなど高機能なネットワーク機器の場合はバージョンアップにより仕様が大きく変更することがあり、メジャーなバージョンアップの際には事前に仕様を調査する、顧客が利用する機能の検証を行うなどの対応が必要となる場合があります。
サーバーソフトウェアへのパッチ適用
サーバーソフトウェアもOSやソフトウェアで発生する不具合や脆弱性に対応するため、定期的にパッチを適用する必要があります。
特にサーバーは機密情報を扱っている場合があるため、セキュリティ対策は非常に重要といえます。
しかし、サーバーが大量にある場合、お客様だけでパッチ適用を行うだけの時間を確保するのは大変です。また、適切な手順の作成や、正しいモジュールを入手することにも製品特有のノウハウが必要となる場合もあります。
そのため、サーバー機器へのパッチ適用を保守業者で実施することも多くあります。
ITインフラのことならYLPにお任せください。
ネットワークやサーバーなどのITインフラはITインフラエンジニアによって支えられています。
そのため、新しいことを行う際には、ITインフラの整備が必要なことも多く、ITインフラエンジニアの出番も多くなります。
ITインフラについてお困り事や増強・更改などのご要望があれば、豊富な知識を持つITインフラエンジニアがいる弊社にお任せください。
弊社では導入後のシステムの安定運用をご支援するための「YLPシステム保守サービス」をご提供しています。ご興味がある方はお問合せフォームよりお気軽にお問合せ下さい。